【導入事例】ProtoPieでモビリティの未来をプロトタイピング!BMW
2024/03/15
BMWがProtoPieを導入した理由とは?
BMWの最新モデルでは、ドライバーは半自動運転、助手席に座っている人は背中のマッサージとリラクゼーションを、後部座席ではBMWシアター・スクリーンで映画鑑賞を楽しむことができます。
これは、BMWの車がただ走るだけのマシンではないことを物語っています。BMWの車は、乗客一人ひとりにユニークで印象的な、パーソナライズされた体験を提供するために設計された、まさにラグジュアリーカーであると言えます。これらの車は、運転、UI/UX、AI、さまざまな車載・車外サービスのためのシステムが密接に関連し、交わり合っています。
特に、進化し続ける近年のユーザーのニーズや技術の進歩の中で、このように魅力的なプロトタイプを開発することは、極めて重要な課題であることは明白です。
もはや、従来のプロトタイピング・ツールのような、静止画や 時間のかかるやり方では不十分なのです。デザイナーや関係者は、新製品をこれまで以上に迅速に市場に送り出したいと考えています。さらに、自動車のプロトタイピングには、ソフトウェアと外部ハードウェア間のシームレスな相乗効果が必要となっています。
そこで、ミュンヘンのBMW研究開発本部を拠点とするリードUI/UXプロトタイピング・スペシャリストでデザイナーのテオ・バビッチ氏と、上海のBMW研究開発センターを拠点とするシニアUXデザイナー兼クリエイティブ・テクノロジストのフェリックス氏に話を伺いました。
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ラピッド・ハイフィデリティ・プロトタイピングの利点
プロトタイプは1000回のミーティングよりも価値があります。考えてみてください。ユーザー、チームメンバー、意思決定者は、製品になる前に製品を体験し、考察することができるのです。
さらに深掘りしてみましょう。プロトタイプは、以下のことを可能にします。
時間の節約
チームとクリエイティブなディスカッションができる
反復作業の効率化
株主に好印象を与える
より効果的な顧客調査の実施
これが意思決定のプロセスに正当性と権威性を与えるのです。デザイナーは試作品を本物のように見たり感じたりすることからプロトタイプで、「実際に体験し、議論し、テストする」ことができるとバビッチ氏は述べています。
こうしたプロトタイピングによって、失敗を恐れないメンタリティがプロセスのDNAに早い段階で組み込まれ、反復性の高い製品サイクルが可能になり、デザイナーはアイデアをテストし、失敗からより効率的に学ぶことができるようになるのです。
パラダイムシフト:「プロトタイピング」から「プロトシンキング」へ
バビッチ氏が説明したように、プロトタイピングをあらゆる構想力と創造性を持つUI/UXデザイナーが利用できるようにするためには、プロトタイピング・プロセスをめぐる視点の転換が必要です。
プロトタイピングを誰でもできるデザイン思考プロセスの「単なるステップ」と捉えるのではなく、「プロトシンキング」と捉えるべきなのです。つまり、アイデアやビジョンを持っている人が、プロトタイピング・ツールを使って自分のアイデアを振り返り、アイデアを心理的に深く掘り下げていき、完成したプロトタイプ(.pieファイル)は、この「プロトシンキング」の偶然かつ非常に価値のある副次的な効果や成果として捉えるべきなのです。プロトタイプを作ることが目的ではなく、作りながら考え、学ぶことが目的なのです。
BMWの躍進を支えるProtoPie
忠実度の高いプロトタイピングは、アイデアを現実の世界に落とし込みます。
これは、フェリックス氏がBMWのUXデザイナーとして入社して以来、彼が行ってきたことの核心をなすものです。BMWのチームは、何年もの間、いくつかのツールを試してきましたが、問題は、どのツールもすべての条件を満たしていないことでした。彼らは、忠実度の高いプロトタイプを作成するためのラピッドプロトタイピングツールを求めていました。
彼らがテストしたほとんどの他ツールは不十分で、基本的な画面間の遷移を表示するだけで、インタラクティブ性に欠けていました。
自動車の移動体験は、速度やステアリングホイールのボタンを押す操作、周囲の照明の制御など、自動車から、あるいは自動車に送信される多くの入力信号に依存しています。そのため、外部ハードウェアやAPIからの実世界データとシームレスに統合できるプロトタイピングツールが必要でした。
以前はUnityやUnrealのようなゲームエンジンが主流でした。しかし、フィリックス氏が「コンピュータサイエンスのバックグラウンドなしに、これらの複雑なツールを使いこなすのは難しいことである」と述べたように、これらには問題がありました。
2019年の初夏までに、韓国にあるBMWのテクノロジーオフィスがバビッチ氏とフェリックス氏に連絡を取り、UI/UXのための素晴らしいラピッドプロトタイピング・ソリューションを提供する非常に有望なスタートアップを紹介しました。
そして、事態は急速に進みました。「2日も経たないうちに、ステアリングホイールをシンプルなPieに接続したんだ」とフェリックスは語っています。
その後、BMWとProtoPieは、BMWスタートアップ・ガレージのセットアップの中で集中的なコラボレーションを行うことを決定しました。BMWスタートアップ・ガレージはBMWグループの一部門で、スタートアップ企業と提携し、BMWとパイロットプロジェクトを実施する機会を提供することで、イノベーションを促進し、両者にとって有益な解決策となる可能性が考えられているのです。
BMWがProtoPieで創造性の新時代を切り拓く
BMWはProtoPieによって、複雑なプロトタイプを作成する力を、ソフトウェア開発者だけでなく、あらゆるデザイナーの手にもたらしました。何と言っても、同ツールは完全にコードフリーなのです。
さらに良いことに、BMWは、本格的なコーディング作業なしには実現が非常に困難な、ハードウェアに接続されたプロトタイピングのための素晴らしいソリューションを発見しました。ProtoPie Connectを通じて、「どんなデザイナーでも、数回クリックするだけで、忠実度の高いプロトタイプを外部ハードウェアにシームレスに接続することができます」とバビッチ氏は語りました。
ProtoPieは、自動車のプロトタイプをAPIやドライビングシミュレーターと連携させたり、ハンドルやシート、ライトなどのハードウェアから信号を読み取ったりする「極めて簡単な」方法を開発しました。ProtoPieを使う以前は、クルマから送られてくる信号を視覚化するのに比較的長い時間がかかっていましたが、複雑なインタラクションを数分で実現することを可能にしたのです。
ProtoPieがBMWのデザイナーにとって事実上の業界標準ラピッド・プロトタイピング・ツールであるのも不思議ではありません。「BMWのデザイナーは、自分のアイデアをテストし、反復し、わずか数クリックでそれを披露することができる」とバビッチ氏は語っています。
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ProtoPieが技術とデザイン間の最適なバランスを提供する理由
BMWチームは、実際の顧客とユーザビリティテストを実施する際にも、ProtoPieが特に役立つと考えています。
体験こそが全てを物語ります! BMWはまた、ProtoPie Playerを使用して、超リアルな実世界体験を実現する複雑なシミュレーションにUIをストリーミングしています。ここでは、現実世界のユーザーは、完成された最終製品に触れずとも、未来の製品の外観やフィーリングを体験することができます。
バビッチ氏は、BMWスタートアップ・ガレージでのコラボレーション・プロジェクトの最終結果に大きな感銘を受けました。「1年前、我々は初めてProtoPieを手にし、現在ではProtoPieに対応したBMW X5が上海の街を走っているんだ」とバビッチ氏は語りました。
この重要なマイルストーンは、ProtoPieの驚くべき能力を証明するものでした。BMWは、自動車で利用可能なほぼすべての信号を受信しながら、実際の交通状況でコンセプトをテストすることができました。つまり、より速く反復し、より効率的に失敗し、ユーザビリティテストを強化し、また反復することができたのです。あとは、ひたすらこの繰り返しです。
そして、エンジニアリングであれ、財務であれ、極めて少ないリソースでこれだけのことが成し遂げられました。バビッチ氏が言うように、「市販のハードウェアを使えば、自動車がプロトタイプと会話するのにそれほど手間はかからない」のです。
ProtoPieであらゆる開発におけるリスクを軽減
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